05月13日(金)

ついに完成
<あと1日>

締め切りがあるから出来るのか
締め切りに合わせて作っているのか・・・


ネット上では、前日の業者招待日に行けた方や、それこそメーカーから、今年の静岡ホビーショーの内容が紹介され始めました。「焦っていない」といえばウソになりますが、落ち着いて目の前の事をやるのみです。

時間が足りないことはわかっていますが、やる事のメドは立ちました。本当はヘッドライトの点灯の為に極小LEDとブラックライト用のミニチュアバルブも用意してあったのですが、ライト基部の加工にかなりの時間を要することがわかっていたので断念しました。電源用の006P電池の収納場所として、車体前部の左右ギアボックスの間に十分なスペースもあるので、将来的な可能性は残しました。

動力部はメンテナンスフリーにするために、完成後も調整できるようにするのですが、場合によっては思い切った処置も必要です。今回の左右機銃の動力がまさにそれでした。砲塔下部にターレットリングを固定するのですが、強度・スペースを考えても接着するしかありません。何度も何度も左右機銃の上下ギミックを確認し、瞬間接着剤でターレットリングをガッチリと固定しました。2度と開けないと思えばこそ、上下動を可能な限りシンプルな構造にしたことがここで生きました。同様に砲身上下用ギアボックスも何度もテストをして位置合わせを行い、これまた瞬間接着剤で固定します。

思い返せば、元々砲塔回転ギミックと砲身上下ギミックは、モーター&ギアを砲塔内に入れる案があったのですが、それを避けてわざわざ車体下部シーソーテーブル式にこだわったのは理由がありました。それは砲塔を360°グルグル回すためには砲塔から伸びたコードが邪魔になるからでした。しかし考えてみればタミヤ1/16RCタイガーTでさえ砲塔からコードが延びていますし、実際に720°も回す事はありえないだろうとの結論に達したのです(実はこれが甘かった事は後で知りますが)。そんなわけで砲塔からだけでも6本のリード線が出ていますので、コードが絡まるトラブルを避ける為に熱収縮チューブでまとめました。

ん?いい時間帯になったけれど、微妙に時間が余ったぞ?・・・(といっても、この時点で残された睡眠時間は3時間でしたが)。

この最後の1週間は、とにかく時間との戦いだったのですが、こんな時に限ってナゼか無駄な時間も作ってしまったりします。5月に入って、ネットで「T92」を検索していたら、なんとグランドパワー誌の最新号が「アメリカ軍空挺戦車特集」で、この中にT92が載っていることが判明したのです。「今までまとめて載った事など殆ど無い車両なのに、自分がこんな事をしようとしているこの時期に、この情報はまさしく神のお告げ」と考えるのはあたりまえでして(^_^;)、すぐに書店に走ったのでした。自分としてはグランドパワー誌はそれなりのメジャーな雑誌と思っていたのですが、地元の大きな書店を3軒回っても、影も形もありません。それならと、ホントに貴重な時間を割いてカイシャからの帰宅途中に渋谷に降り立ったのですが、驚いた事に、超有名大型店を3軒回っても置いてない(or売り切れ)のです。偶然でしょうが応対してくれた店員さんがナニな方が多く、「お待ち下さい」といったまま5分以上待たされて、何をしているのかと思えば、自分が何度も見たところを頓珍漢に探し回っていたり、ありえないところを探していたり・・・。「冗談抜きに1秒でも惜しいのに、ナニやってるんだ自分は!」もう、これで無ければあきらめようと、最後に渋谷駅に一番近い書店に入ると、1冊だけ残っていました。焦ってレジに走ったのは言うまでもありません。

これがやはりスグレモノの資料でして、初めて見る興味深い写真が何枚もあります。作業の合間にチラチラと見ていたことが、この微妙な余った(?)時間に火をつけてしまいました。「え?それは、やっちゃダメだろう?最初と趣旨が違うだろう?」との思いと何度か戦ったのですが、「やってみたい!誰に遠慮して作っているのではなく、自分が楽しければいいじゃないか!」という身勝手な論理が勝り、手をつけてしまいました。それは砲塔機銃周りの楕円形窓固定ボルトを再現することです。「当時の模型のままで、外観は無改造で塗装もしない」はずでしたが、「軽装甲機動車の時の極小6角ボルトが大量に余っているしなあ〜」という事情もありました。なんでもないように見えますが、いざ付けるとなると両側で100個以上のボルトを接着する事になるのですが、好奇心は抑えられず、ホイホイ始めてしまいます。このおかげで最終日も完全徹夜になってしまいました。


穏やかな気持ちで夜明けを迎えます(といっても、毎週土曜日は、朝3時から仕事ですので、日の出は見ていないのですが)。東京で一仕事終えて静岡駅のホームに降り立ったのは正午前。今年は土曜日の午前中に「ブルーインパルスの飛行」という超目玉があったのですが、涙を飲んで断念するしかありません。到着したばかりの会場には異様な興奮が残っていました。

今年も「輪会」のメンバーの末席に入れてもらえ、拙作を展示しました。1/1の本物ソックリのオランウータンあり、真っ白プラバンのフルスクラッチあり、焼き網に乗ったペーパークラフトの焼き魚あり、40年前(?)の小学生の作品ありと相変わらずの個性派揃いです。そんな中で、42年前のプラモデルをほぼ無塗装で置くので、あまり目立たないのですが、ごく一部の年配の方には驚かれたようです。

「ご自由に動かして下さい!」と書いては見たものの、戦車からコードが延びてリモコンボックスがあれば、やはりキャタピラが回って前後進すると思われるのか、反応が良くありません。そこで「走行ギミックは外してあります」というメッセージを加え、メンバーが手作りのリモコンボックスレバー矢印シールを作ってくれたところ、子供が大勢反応してくれるようになりました。

考えてみれば、最近は数千円程で全長10cmに満たない小さな戦車が砲塔旋回RC操作が出来る時代ですが、「ジャー!」という金属ギアがかみ合う大音響とともに砲塔旋回するアナログ模型も捨て難いものです。

いいオトナが操作すれば、ある程度の常識を考えてやるのでしょうが、初めて見る子供たちは興味津々。砲塔を720°近く回転させてしまう子供も現れ、ヒヤヒヤものでした。そんな時は、店番をしてくれたDr.スクラッチさんが子供がいなくなると、そっと砲塔を外してグリグリ戻したそうです。

今回の「デストロイヤー6ch計画」自体は、十分満足な結果になりましたが、本筋のところで大きな課題を残したのは言うまでもありません。特に平田名人には1/35某超有名人ビネットまで作っていただいたのに、それを置かせていただくはずの作品が影も形も見せられなかった事は猛省です。「来年こそ必ず」は当然なのですが、動機付けをしっかりしながら前進します。

(2005/09/06)


動作テストも終了し、慎重に位置決めした
砲身上下用ギアボックスを瞬間接着剤で接着
砲塔だけで6本のコードがあるので
1本にまとめ、熱収縮チューブで固定
基本走行用ギアボックスもシンプルに固定 これが全景。今回は前方ライト点灯ギミックは断念
こんな非常時なのに渋谷中を探し回って購入した
グランドパワー05年6月号
神のお告げか・・・
まさにT92の詳細な記事が・・・
でもって、よせばいいのにこんな事・・・ 銃口も開け、砲身下部はこんな感じ
タミヤ1/48ミニタンク用のゴムキャタピラがぴったり リモコンコードは後部ハッチを開けてコネクターで
ご覧のように6チャンネルリモコン!(再撮画像です) いざ、静岡へ出発!
当日!今年の「輪会」テーブルも個性的な作品ばかり 来場者に自由に操作してもらいました(^_^)