10月22日(日)

車体下部の工作(1)
〜上部転輪の可動化〜

<あと14日>

インジェクションパーツとのハイブリッド


いよいよ製作開始!いきなり勝負どころの週末を迎えました。この2日である程度のメドがたたないとすべての計画が壊れてしまいます。

確かにこの日(10月21日土曜日)が製作開始日ですが、キットを入手(9月28日でした)してからおよそ1ヶ月の間、ずっと構想を練ってきました。ギアはどのようにして組もう、転輪の回転方法、他のインジェクションキットからの流用パーツの選択・・・もちろん事前の机上ですべてが解決するわけも無く、実際に手を動かしてみて初めてわかることも沢山あるはずです。

この日を迎えるまでに、(レジンキットには必ず付いて回る)離型剤を取り去るために洗剤につけ置きして良く洗い、乾燥させてありました。カタチから入る当研究室助手にしては珍しく(?)専用の離型剤除去洗剤は使わず、いわゆるマジックリンを使っての洗浄でした。もともとこの5STAR社のレジンキットには目に見えるような離型剤は残っておらず、この行程を一瞬忘れそうになるほどでした。

さあ、準備は出来ました。まずはすべての基礎となる車体下部をアナの開くほど見つめます。当初は車体下部は強度と取り回しの良さを考えてドラゴンのインジェクションパーツを使う予定でしたが、レジンキットの方は室内床面まで再現されています。動く戦車オフ会2006に間に合わせる事を最優先に考えたら、「動くことが優先だから室内の作り込みはあきらめて完全接着」という選択肢が一瞬頭をかすめましたが、繊細なパーツを見たらすぐにそんな考えは消えました。この“レジン製車体下部をそのまま使ってモ−ターライズに改造する”という行為自体がベテランモデラーの方々にとっては無謀に見えたそうですが、そんなことは知らないので進めてしまいました。

しかしふと思うのですが、このレジンキット、本当に素晴らしいキットなのですが、車体下部は間違いなくドラゴンのJS-2キットをベースにしています。版権、著作権はいったいどうなっているのでしょうか?しかし、かつては当のドラゴンもスカッドBのキットは某マニアのフルスクラッチした作品をコピーしたというウワサが流れました(真相はわかりません)。

上記のようにこのレジンキットの車体下部は、ドラゴンのJS-2をベースにして様々なパーツが加えられた状態で一発抜きされていますので、製作時間の思わぬ短縮にもなりました。

レジンキットが一般的にとっつきにくい大きな理由の一つに「巨大なバリ(湯口)」があります。極小パーツにいたってはパーツの10倍以上の大きさのバリが付いていたります。基本的にはニッパーでパチンパチンと切断出来ますが、車体下部などに付く大きなバリはモーターツールを使うと簡単に分離出来ます。

起動輪のシャフトの位置の突起をニッパーで切断し、センターを出してから2.0mm六角シャフトが入るように穴を開け、ミニ四駆のキットに付属するハトメをはめました。この大きさのハトメはありそうで中々無く、毎年動く戦車オフ会の度に重宝しています。

レジンキットが動かすことを考えていないのは当然なのですが、実はドラゴンのキットも完全ディスプレイキットなので、すべての転輪やキャタピラは完全接着を前提としたパーツ割りなのです。この点、タミヤのキットはディスプレイキットでもほとんどの物がポリキャップなどを使った回転を前提としているので助かります。ただしタミヤのJS-3に限っては接着を前提としたパーツ割りなので、今回購入したものの使いませんでした。

まず上部転輪を回転させます。ここは物が小さいことと、それほど大きな力が加わるところではないので、車軸ごと完全接着して完成した物に、ピンバイスで軸に穴を開けて0.8mm真鍮棒を通して接着し、車体に挿して内側で固定するという古典的な手法にしました。

(2007/01/13)


当初は、このD-FORCEギアボックスを使用する予定も・・・ サイドの各種彫刻もシャープ
室内床面も見事に再現されている ドラゴンのパーツは室内再現は当然無い
一発抜き(レジンキットなので当然)の車体下部 裏面のモールドを見ても、このパーツがべースは明らか
モーターツールがあれば作業時間短縮 余裕を残し大胆に切断する
当初はこんな状態だったが→ 穴を開け、ミニ四駆付属の2.0mmハトメを埋め込む
上部転輪はガッチリ接着してからピンバイスで穴をあけ
0.8mm真鍮シャフトを差し込む
車体内部に真鍮シャフトを貫通させ
内側で5mmプラ棒のスライスで接着留めする