ロンメル


発売時期 発売時価格
1967/04 ¥1800



まさにデラックス、1/25リモコンロンメルの登場です。このキット、ご存知の様に先に発売されたパンサーの姉妹キットですが、そのパンサーに比べても箱の大きさが一回り大きく、当時のタミヤ最大の大きさでした。ボックスアートは油がのり切った小松崎茂画伯です。市外戦の迫力ある構図で、バックにある燃え盛る炎と黒煙、水溜りに写りこむキャタピラなどまさにメガトン級。何を隠そう当研究室助手が小学生の時、隣町にある模型店のショーウインドウの真中に飾ってあり、自転車で通っては指をくわえてガラスに張り付いて見ていたキットです。箱を開けて見るなんてそんな神をも恐れぬ行為はとても言い出せず、行く度に想像を逞しくして夢を膨らませていた甘酸っぱい?思い出があります。

しかし田舎の事でなのか、あるいは模型店のオヤジが頑固オヤジだったかでなかなか売れず、西日を浴びてうっすらと色あせながら値上げの青シールが3枚重ねになって最後は¥2800にまでなってました。今、改めて考えてみるに、このキットはパンサーと同じく1973年にキットNo.13としてリニューアルされ¥2300となり、その後さらに値上げが始まります。つまり、このキットNo.8のロンメルは¥1800のまま生涯を終えたのに(問屋等からの指導はあったにせよ)頑固オヤジが勝手に値上げ青シールを貼りつづけた事になります。中学生になってなんとかお金が貯まって自転車を隣町に走らせた時は、なんと模型店そのものが無くなっていました。

余談が長くなりました、早速箱を開けて見ましょう。車体下部は実車同様パンサーと共通ですが、何と言っても一際大きい車体上部が目を引きます。ご覧のように各ハッチは固定式で一部ヒンジだけを別部品として接着しました。エンジンルーバーが抜けてなく、メッシュのモールドが入っているのもパンサーと同じ仕様です。気になる点と言えばやはり前方機銃で、どう考えても長すぎます。

ところでパンサーの時に問題にしたキットNo.ですが、その後頂いた資料等からも判断するに、発売時からパンサーがNo.7、このロンメルがNo.8だった様です。説明書にもそれぞれ7と8と明記されていました。それにしてもその後発売になったチーフテンにもしっかりキットNo.8と書いてある訳ですから、誰か気付きそうなものですが、当時ロンメルとチーフテンの両方を持っていて箱を見比べるなんてのはよほどの大金持ちの子供しかいなかったでしょうから(なんだかひがみっぽい言い方)だれも気にしなかったのではないでしょうか?


ロンメルの大きさは50cmx35cm、パンサーより一回り大きい。 全体が梨地仕上げの車体上部。迫力抜群。
写真中央に斜めについている部品が前方機銃。 ジェリカンとスカート部品

68はヒンジのみ。79の着け場所を迷った人も多かったそうだ。