R.C−戦車


発売時期 発売時価格
1957/09 ¥400



(キット画像協力:静岡のakasataさん)

本当に久しぶりの更新は、2001年3月のとある日に研究室に届いた“もの凄い”メールがきっかけです。

「はじめまして。HP拝見しました。楽しかったです。...(中略)...で、我が家にRC戦車があるので一応写真送ります...」「えっ!!あ、アールシー戦車!?」と驚く間もなくスクロールしていくとそこには確かに幻の「RC戦車」のカラー画像があるではないですか!!このキットは日本模型新聞の広告で存在は確認されておりましたが静岡のタミヤ歴史館にも現物は残っておらず、幻のキットとなっていた物でした。当研究室助手があわてて返事を出したのは言うまでもありません。メールを送って下さったのは「静岡のakasata」さん。驚いたことに助手と同級生の方でした。なんと中学2年生の頃に(1976年でしょうか)近所の駄菓子屋兼模型屋さんが棚卸しの時に捨てようとしていたのを¥100で購入したそうです!「今回送った画像の公開はOKです。私が初めてこのHPを見たときに感じた興奮というか感動を色々な人と共有できるのですから大歓迎です」との暖かい言葉に甘えて、皆さんと感動を分かち合いましょう!「静岡のakasata」さん、本当にありがとうございました。

早速箱を見ていきましょう。ボックストップの写真はアメリカのM26パーシング戦車の様です。2年前に発売になっていた「中型戦車」のボックストップ写真がM4A3E8シャーマンだったことを考えると整合性もあります。車体前部に書かれたRCの2文字が眩しいですが、それにも増して目を引くのは「リモートコントロール 実願第28301号」という文字です。助手は日本模型新聞の広告で「方向変換自由自在に操縦できる、まさに模型界の革命的製品!車物の決定版です。」のキャッチコピーは知っていましたが、いったいどんな仕組みのリモートコントロールで、どうしてそれが「実願」になるのかが謎だったのですが、今回見事に氷解しました。

箱を開けてみると、戦車そのものは2年前に発売になった「中型戦車」と同じ物であるのがわかります。そして注目のリモートコントロールシステムとは...使用モーターが1個なので前後進まではわかるのですが、方向変換自由自在がわかりません。なんとそれはワイヤーを引っ張ってシーソー式レバーで車体の片側を浮かせるという全く新しい発想だったのです。青のビニールパイプの中にはこのワイヤーと電源コードが入ります。わかってみたら簡単ですが、まさにコロンブスの卵でした。リモコンボックスにあるワイヤーのリング状の先端には「楽に操作できるように糸を図のごとく結びつける」という記述も見えます。

タミヤ初のプラスチックモデルのリモコン戦車である1/35パンサータンク(リモコン)の発売まで、まだ5年も前のことでした。

(2001/04/13)


箱を開けると恒例の黄色のセロファンが RC戦車と書いてあるタグにも注目
左下からワイヤー、ビニールパイプ、電源コード 本体の木製部品分割


情報がこぼれんばかりの組み立て説明書。「模型教材」と呼ばれた理由が良くわかる。


日本模型新聞1957(S32)/10/05号広告より