走る超特急(デラックス)


発売期間 発売時価格
1964/12 ¥350



プラスチックモデルの創成期にタミヤは実にユニークなキットを発表します。時はまさに1964年、東京オリンピックと新幹線の年。なんと10月の開業を待たずして7月に「走る超特急」として先頭車両のみが¥100で発売になります。その後、実車デビューから2ヶ月後に付随車を2台はさんで4両編成となった「デラックス版」が発表されたのです。

このキット、良く見ると「ひかり号」や「こだま号」という表記が見当たりません。単にどちらにも限定したくなかったのか、それとも本当の車両のニックネームが決まったのが遅かったのか、当研究室には詳しい資料がありません。どなたかご存知の方教えて下さい。

何と言っても特徴は線路も無いのにゴムタイヤでモーター走行し、壁にぶつかると逆転スイッチが入り、自動的に戻ってくる事でしょう。但しこれは先頭車両バージョンのみでの想定と考えるのが正しく、4両編成ではせっかく逆転スイッチが入っても、方向転換後の先頭車両(つまり元の最後尾の車両)に動力が無い為、後ろから押されて4両の連結がクネクネ曲がり、とても真っ直ぐ前には進まなかったと考えられます。

単にロットの違いという事も考えられますが、当研究室に保管してある双方の超特急を比べた所、デラックス版の方が白の成形色が白い事がわかりました。¥100版の方はまるで保安点検車(でしたっけ?鉄道マニアの方よろしく)かと思う様な黄色です。

説明書の記述。「200キロものスピードで走る場合は、今までに無い危険も起こってきます。〜中略〜前頭部にはスカートと呼ばれる16ミリの鋼板が6枚付き合計96ミリの厚さになる。これはソ連の重戦車なみ」っておいおい...


初めは先頭車両のみが発売された。 デラックス版の中身。先頭車両 x 2、付随車 x2
車両先頭から逆転スイッチ直結の針金が出ているのがわかる デラックス版は電池も2個使い、まさにデラックス!
左:デラックス版、右:先頭車両版。色の違いが鮮やか。 問題の?ゴムタイヤと針金付逆転スイッチ。

しっかり1/122と表記されている。 「東京オリンピックにあつまる海外の観光客もさぞ驚かされるでしょう」