「I LOVE TAMIYA」展


ポスター拡大画像はこちら


都市名 会場名 場所 期間 入場料(大人/学生/小学生以下)
東京 渋谷パルコ3 7Fスクエア7 2002年3/15(金)〜4/01(月) 500円/400円/0円
名古屋 名古屋パルコ 西館7階 2002年5/10(金)〜5/27(月) 500円/400円/0円
福岡 三菱地所アルティアム 天神イズム8F 2002年6/20(木)〜7/14(日) 400円/300円/0円
札幌 札幌パルコ 7F特設会場 2002年7/19(金)〜8/01(木) 無料
大阪 梅田ロフト 1Fロフトマーケット 2002年8/07(水)〜8/21(水) 無料

(展示内容は各会場の広さ・形態によって大きく変わる可能性があります)


田宮模型教材社企画設計室ジオラマ
キットで見るタミヤの歴史
キット展示
ジオラマ(金子辰也氏・山田卓司氏)
人形改造作品(山本和彦氏)
ボックスアート
少年雑誌広告に見るタミヤの歴史
タミヤグッズの歴史
アーティストによるタミヤ作品展
タミヤショップ
1/16RCタンク赤外線バトルデモ


もう1年以上前になります。2001年1月、突然ある女性(!)からこんなメールが当研究室助手宛てに飛び込んできました

「はじめてご連絡させていただきます。私は東京でハクション株式会社という展覧会の企画制作会社にて企画をいたしております・・・(中略)・・・田宮模型全仕事を読み、感動しきりでした。昨秋からずっと思い描いておりましたのは、何とか展覧会という形でタミヤの模型 を、歴史を、たくさんの人に紹介できないかということでした。私のように模型に詳 しくない人たちも、きっと驚き、感動してくれるに違いありません。書籍の情報量や、田宮本社のショールームの物量には及ばないかもしれませんが、全国を巡回する形でたくさんの人に見ていただける展覧会を開きたいと思うのです・・・(後略)」

正直、あまりにとっぴな話ですし、相手がどこまで本気なのかわかりません。何度かメールを交わした後に、とりあえず直接お会いすることになりました。

助:「タミヤの展示会といっても、毎年モデラーズギャラリーも全国で行われていますし、何を展示したいんですか?」
ハ:「ターゲットは10代、20代の女性です!」
助:「え!?」
ハ:「田宮模型全仕事を読んで感動しました。このHPにも驚きました。
  今、街を歩く女性にタミヤのロゴが人気でツインスターTシャツが流行っているのは知ってますよね?」
助:「はあ、しかし10代の女性を納得させる事は私には・・・」
ハ:「いえいえ、60年代、70年代のタミヤの製品は女の子にとって"かわいい"んです・・・」
助:「はあ?」

なんともカルチャーショックな出だしになってしまいましたが、聞けばこれまでに「バービー(人形)展」「レゴ展」を成功させてきた企画制作会社で、特に「レゴ展」に関しては、この展示会もきっかけの一つとなり街にレゴグッズが溢れ出しました(およそレゴで遊ぶと思えない女子高生やOLさんがファッションとしてグッズを沢山持ってますよね)。

「・・・なるほど、言わんとしていらっしゃることがわかってきました。タミヤのツインスターマークは私が言うことではありませんがとても素晴らしいデザインですし、第2のレゴグッズになる要素は十分あると思います。ただ、あくまでも私の個人的な思いですが、ロゴマークだけを一人歩きさせたとして、たとえ一時的にブームが来たとしても、かえってブームの後にツインスターマークに泥を塗るような事はしたくないのです。ただし、これまでのタミヤにとって女性というターゲットは実質ゼロに近かったので、新しいチャレンジという意味では悪くない話だとも思います。しかし、先ほどの話ですが、私は30〜50代の男性を満足させるならある程度考えがありますが、10〜20代の女性というのは・・・」

結局、「変に奇をてらうことなく真摯にタミヤの歴史を展示すれば、それは若い世代だ女性だということなく誰にでも訴えるものがあるはずだ」という結論になり(やや無理があるかな?)、なぜか私が説得役にまわってタミヤと交渉することになってしまいました。意外にもタミヤの答えは「GO!」。そして気が付いたら私が“監修”となっておりました。それから1年をかけて何度も打ち合わせを続け(更新のあゆみには“プロジェクト2”としてあったのがそれです。)、ようやく開催が決定したのです。

基本コンセプトは「静岡にあるタミヤ歴史館の移動展示館」なのですが、会場のコンパクトさ(狭さ)から考えると内容をかなり絞らなくてはなりません。もちろん“静岡の歴史館にも展示されていないもの”という目玉も必要です。そして同時にもう一つのコンセプトである「若い女性にアピールする」という意味で新規にタミヤオリジナルグッズをいくつか開発することになりました。これにはファッションに強いハクション株式会社からのデザイナーの意見も取り入れられています。

もちろん紆余曲折もありました。会場の関係で「入場料を取る」というのです。これには初めてタミヤ側も難色を示しました。タミヤモデラーズギャラリーやタミヤフェアを見てもわかるように、これまで有料のイベントというのはタミヤに馴染まないからです。もちろん静岡のタミヤ歴史館も入場無料です。当研究室助手も強く抵抗しましたが、これだけは変えられません。そうなるとこちらも完全にハラをくくりました。「お金を払って来ても納得してもらえるものにしよう」これしかありません。確かに静岡タミヤ歴史館がいかに無料とはいえ、例えば東京に住んでいる人が見に行こうと思えば「何かのついでに静岡のタミヤに寄った」ということが現実的ではない以上、往復の新幹線代を考えても多少の入場料は安いものという考えは十分あります。しかしもっと攻撃的に考え、そして責任感を持たなくてはという意味も当研究室助手にとっては大きいのです。

おかげさまで沢山の方々の協力を得ることが出来、素晴らしい展示物が揃いました。なんといっても金子辰也さんのジオラマと山本和彦さんの人形改造全作品は、これだけで十分「納得してもらえる」ものだと思います。また「田宮模型全仕事」完結後に新たに“発見”された古いキットもいくつか展示されます。当研究室助手にとっても良い機会です。真摯にタミヤの"歴史"を展示します(スペースの関係で展示品に偏りがあるのをお許しください)。旧ロゴマークのキットを、スペースが許す限り敷き詰めます。はっきり言って現行品は殆ど展示されません。

鉛筆1本、シール1枚まで数えると総展示数は400点以上。基本的にタミヤ本社からお借りするものは極めて少なく、20〜30点にとどまります。“タミヤファンが作る”田宮模型歴史展です。

(2002/03/04)