スペースシャトル
(ディスカバリー号)


発売から25年経ったキットですが、安心して作れます


どんどん製作日記を公開していきましょう。今度はスペースシャトルです。

日本時間2005年7月26日(火)23:39・・・野口聡一さんを乗せたスペースシャトルディスカバリーがフロリダのケネディー宇宙センターから打ち上げられました。初搭乗がMS1(ミッションスペシャリスト1)という日本人初の栄誉ある立場をつかんだ野口さんは、打ち上げ後も数々の困難を冷静に乗り越え、見事な働きをしたのは記憶に新しいところでしょう。

当初2005年5月に予定されていた打ち上げが7月14日早朝(日本時間)に延期されました。例によって今回も誰からも“依頼”は無いのですが(笑)、春に帰省した時に富山ブラックホールにタミヤの1/100のキットが4つも並んでいるのを見て「このままではいけない」と1つ持って帰ってきており、それを組む事にしたのでした。

この時期はどうしたことか、やたら制作意欲に燃えており(?)、たった3週間という期間に、1/35セミスクラッチ高機動車、1/32airfixロンメルグライフなどアーマーモデリング連載用sdkfz250を3台、1/100スペースシャトル、1/72SAM-2ミサイル、1/72スカッドB、そして水モノオフ会2005参加作品を作るという暴挙に出ておりました。

そんなわけでスケジュールだけは詰まっており、このスペースシャトルを組み始めたのが前日の13日(水)。「タミヤの製品なので素組みなら丸1日で十分組める」という考えは正しかったのですが、塗装とデカールに予想外の時間がかかってしまいました。ネットで資料を集めると、打ち上げのディスカバリー号そのものの最新画像が続々と入手できます。半年前に実際にNASAに行ってきたこともあってモチベーションは十分で、色々と考えてしまうんですね〜。結果的には完徹は当然というスケジュールに追い込まれ、明け方に頼みのアルプスプリンタが壊れる(ありがちな話です)というオチまでついて真っ青になったのですが、発射1時間ほど前に燃料センサーの故障で打ち上げ自体の延期が決定しました。

NASAのライブカメラをネットで見ながら「間に合わない間に合わない・・・」と作業を続けていたのですが、途中から画面上で雲行きが怪しくなり、延期の発表。時間軸の幅は違いますが万景峰号と同じケースです。こういったケースではダラダラしないで、最低限の時間で仕上げるに限ります。翌日、アルプス電器のサポートセンターに電話をして簡単なメンテナンスの資料を送ってもらい試したところ、見事にプリンタが復活、最終的に完成したのは16日(土)となりました(翌日からSAM-2の製作開始してますね)。

例によって素組みですので何も見るところは無いのですが、こだわったのが自作デカールです。タミヤのキットはスペースシャトルの初打ち上げ(1981年4月)の前年にキット化されていますので、マーキングが最新のものにアップデートされていません。そこで「discovery」の文字やNASAのマークを自作デカールで再現するわけです。ちなみにNASAのマークは他でもないアポロ宇宙船のデータをそのまま使いました。そしてこだわったのが主翼後端付近の格子状の黒のライン。マスキングでは大変そうなので、これもエクセルで作ってみました

出来るだけ真正面からの現物画像を探し、それぞれの格子状の枠の幅を測定します。そのデータをエクセルのセル幅にそれぞれ移行してマス目を作り、枠で囲んで、その枠線の太さを調整すれば出来上がり。何度かテストプリントして実際に完成品に当てて縮小比率を決め、最終原稿を完成させました。結果は良好。この「エクセルを使っての自作デカール原稿作り」はまだまだ可能性がありそうですね。

タミヤのキットには翼の表面に耐熱タイルのモールドが施されています。これは各機種ごとにタイルの埋め込み方が違うので、この模型のモデルとなった(試作エンタープライズ号?コロンビア号?)とディスカバリー号とでは異なるのですが、「スペースシャトルはピカピカに磨かれたスポーツカーみたいなものではない」という意味も込めて、ちょっとウエザリングをしてタイルのモールドを浮かせてみました(やり方は大いに研究の余地がありますね)。

その日のうちに完成品をカイシャに持ち込んで美術スタッフに預けておいたのですが、10日後の打ち上げ直後から耐熱タイルの損傷が判明し、予期せぬ形でこの模型も大活躍してしまいました。

それにしても今回の打ち上げではシャトル本体(厳密にはブースターの方ですが)に設置されたTVカメラでシャトル側からの打ち上げの様子がライブで見られたのは新鮮でした。後方に見えたフロリダ半島が見る見るうちに地球の輪郭に変わっていく様は感動的でした。事前に秒単位で打ち上げ直後のスケジュールが発表されていたので、ストップウオッチを片手にTV中継を見つめていたのですが、タイムスケジュール通りに事が進み、「あと10秒で、ブースター切り離し予定・・・3,2,1」とカウントすると、ピッタリとブースターが切り離されていく(あたりまえの事なのですが)のにも感動しました。

2005年9月23日(金)、宇宙飛行士の野口聡一さんが凱旋帰国されたことを機に、この拙作日記をUPします。

(2005/09/26)


コクピットを塗装してから組み立てます ここまでは簡単。ウインドウのマスキング
ネットで公開されている画像を資料にマスキング この辺から根くらべマスキング
白→黒→グレーの順にエアブラシ とりあえず基本塗装終了
得意(?)の自作デカールで補足します
純正デカールは既に操縦席内のパネルに使用
秘密ラボ・・・じゃなくて、食器乾燥機
今回も大活躍しました。


完成しました。すっきりとしたデザインです。主翼の耐熱タイルのモールドが見えますか?
この作業用アームは、今回2本装備されていました。大活躍したのは記憶に新しいところ。
コクピット内にはオレンジの服装の宇宙飛行士が。黒の窓枠はキット付属のデカールです。
今回のポイントはこの格子状の自作デカール。個々のマス目の幅も正確に再現してあります。