06月24日(木)
<本撮影まであと01日>

塗装(2)・電飾・ステッカー・・・完成!

一時はダークグリーンに塗られていたのです。


いよいよ本日1日しかありません。現状では下地塗装を終えた真っ黒な車体が目の前にあります。やらなければならないことは大きく分けて3点。本塗装・電飾・ステッカーです。

当研究室助手は「色」に関しては、指定された物にこだわらず、独自の感性を信じて進む傾向があります。古くは小学生の頃、レベルカラーの39番ダークイエローの色調に納得がいかず、21番ミドルストーンの愛用に始まり(こうしていた方は意外と多いそうですね)、最近では原色6番のグリーン(緑)をそのまま1/16コンピューターシャーマンに使ったり、簡単に言えば「自分が気に入った色」を塗るというシンプルなものです。

今回の軽装甲機動車に関しては、「オリーブドラブよりも緑色を強めに塗りたい」の思いから決めていた色がありました。それはクレオスの70番ダークグリーンです。「ダークグリーンは17番!」という番号が頭にすり込まれているのですが、これは厳密にはドイツ空軍の色だったんですね。クレオスのカラーはいつのまにか(失礼)驚くほど色数が充実しており、様々な特色、新色がアップデート発売されています。また同じ番号でも、色調を再検討された色もあり、40番ジャーマングレーなどはホレボレするほど深みのある素晴らしい色に変更されています。これはかつて限定発売されたパンツァーカラーの色調を持ってきたという説もありますね。調べてみると1997年のグンゼ産業のカタログに「Mr.カラー39(ダークイエロー),40(ジャーマングレー),41(レッドブラウン),70(ダークグリーン)の戦車色はより正しい色調になりました。」という記述がありました。こうなると「元の40番ジャーマングレーの色調も捨て難い」なんて思ったりするので勝手なものです。また、ガンダムカラーやエバンゲリオンカラーにも実に素晴らしい色がラインナップされており、「ザクの色はロシア戦車色にいい」というのはマニアに有名みたいですね。

話がそれたので元に戻しましょう。一瞬、ザクの色もよぎりましたが、初志貫徹で70番ダークグリーンにすることにしました。よく、1/16の戦車を缶スプレーで塗ろうとしたら缶を6本も使ったなんて話を聞くのですが(実際にそうでした)。こうした黒の下地塗装が出来ている場合は、エアブラシで吹くと120円のビン1本分で済んでしまったりするから不思議です。

早速エアブラシ塗装を始めるのですが、鮮やかなグリーンにちょっと違和感を感じます。まあ1回目の塗装だから気にしないと、2度3度と重ね塗りをしていくのですが、違和感は増すばかりになってしまいました。色調を文字で表すのは難しいのですが「違うなあ」と思い出したら止まりません。この時点で夜10時を過ぎており、これから新しい色を買いに外に出るわけにも行きません。あわてて手持ちのストックを調べたら、レベルカラー時代(!)の38番オリーブドラブ(2)が丸々4本も出てきたのですが、どうしてもこの色調もしっくりしないことは経験上知っています。混色すれば済む事なのですが、2度と作れない色で塗装すると必ず途中で足りなくなって慌てるというトラウマから、自分で作った混色でエアブラシの全体塗装はしたくないという本当につまらないこだわりがあります。

「時間が無い、けれど3ヶ月近くかけてフルスクラッチしてきた最後に妥協はしたくない」とのジレンマに悩み焦りながら必死に探すと、引き出しの奥から、小さな紙の箱が出てきました。箱には「陸上自衛隊戦車色」と書いてあります。中には濃緑色3414、茶色3606、OD色2314の3本のビンが入っていました。うっすらとした記憶で、どこかの初めての模型店に入った時に何も買う物が無くて、気まずく思って(?)買ったことを思い出しました。この0D(オリーブドラブの略)2314を試しに吹いてみると、まさにイメージにピッタリの色。自分のつまらない感性なんか、メーカーが真剣に調合した純正色の前であっさり吹き飛んでしまうケースを痛感しました。ちなみにクレオスのカラーは1本120円なのに、この特色セットが3本で600円なのは暴利と思う方もいると思いますが、実際は単色売りのビンは10mlの容量ですが、この特色3本セットは1本あたり18mlの大型ビンなんですね。

余談ついでにクイズです。現在売られているクレオスカラー、タミヤエナメル、タミヤアクリルの3大塗料を、1本あたりのビンの容量が多い順に並べましょう?という問題はいかがでしょうか?答えはなんと、3本とも10mlで同じなんですね。タミヤエナメルとクレオスが同じなのに、まず驚きました。調べてみるとレベルカラーの時代は1本あたり18mlだったのが、例のフタのデザインがペンチで回せるように変更になった時に、ほとんど半分に減らされていたんですね。先の自衛隊用特色セットはこの時代の18mlビンと基本的には同じです。またパクトラタミヤの時代は1本あたり7mlだったのに、タミヤエナメルのガラスビンになると10mlに増量されています。さらにタミヤアクリルも発売当時はなんと23mlの大型ビンだったのに、一気に10mlのミニビンの方が主流になってしまいました。かつては塗料を1本使い切るということがあまり無かったのですが、最近の当研究室助手はエアブラシ塗装が主体なので、同じ色でも何本でも買ってしまいますね。

え?今回の日記はなんだか変?余談が多すぎる?・・・いいところに気付きましたね(^_^;)。実は自衛隊色のOD色をエアブラシし始めたのは24時近くになっており、この時点で全く余裕が無くなり、これ以降の画像が一切ありません。この時の状況を考えれば「さもありなん」というところですが、このあとライト・ウインカーの電飾取り付けやステッカー貼りの途中画像が無いため、後から撮影した画像で補足します。

OD色2314の発色は全くもって見事で、十分納得のいく車体に仕上がりました。結果的に下地の黒塗装や、ダークグリーン塗装が色に深みをもたらしてくれました。次はライト類の電飾です。幸いスカッドミサイルの時にノウハウはつかんでいましたので、思ったより悩みませんでした。問題はスイッチです。元々ラジオコントロールで点灯操作をするつもりだったのですが、この時点では断念(再開する可能性は残してあります)しています。ヘッドライトとウインカーの2箇所のスイッチをどこかにつけなくてはなりません。ボディーの裏側につける考えと、割り切って車体上部のパイプフレームの影にでも目立たないようにつける案もありましたが、やはりしっくりしません。これについては10日以上前からずっと考えており、既に妙案が浮かんでいました。ドアのノブをスイッチにするのです。

ドアのノブは3mm丸棒をローソクであぶって曲げた物ですが、ドアに取り付ける付け根は4mm丸棒を咬ませてあります。そう、4mm丸棒こそ他ならぬドラゴン1/9ケッテンクラートのスコップの柄なのです。ドラゴンのインジェクションパーツはどこかやわらかい性質があって、ここに使うと思わぬグリップ効果があり、ドアノブがとても良い抵抗感で動いていたのです。この軸の裏側に3mm角棒を2枚貼り合せた物を接着し、スイッチを押すバーにしてみました。結果は面白いほど確実に作動してくれます。これで外観を一切壊すことなくスイッチを付ける事に成功しました。ウインカーは自動点滅LEDを回路に直列にかます事により、ハザードランプの働きをする点滅になります。かくして左前方のドアノブをひねると、高輝度白色LEDのヘッドライトが点灯し。左後方のドアノブをひねると車体前後左右のハザードランプが点滅するようになりました。

最後はイラク派遣車両の大きな特徴である日の丸マークです。実物はマグネットラバーシートに印刷されており、簡単に脱着出来るようです。これに関してもパソコンで自作のマークを作り、スーパープレミアムフォトシール用紙に印刷するつもりだったのですが、先の静岡ホビーショー会場でタミヤの某氏に1/10RC軽装甲機動車用のステッカーをこっそりと頂いておりました。この1/10RCカーは走りに徹する為と、何よりも市場の要求にアップデートで応えるためにポリカーボネートボディーになったのだと思いますが、付属するステッカーの品質・精度は只者ではありません。鮮やかな発色はもちろんのこと、ある程度厚みのあるステッカーにもかかわらず、細かい曲面に驚くほど馴染みます。右前部フェンダー上の日の丸の曲面への馴染み方は感動的でさえあります。とても市販のスーパープレミアムフォトシール用紙では出来ないことでした。ある程度オーバースケールな部分はフチを切るなどして対応しました。

「夜が白々と明ける頃」などではとてもおさまらず、朝食を食べた後もとにかく一心不乱に続け、なんとか完成しました。家を出る前に玄関でパチリと写真を撮りましたが、前日の夜とは全く違う顔がそこにありました。

朝霞の陸上自衛隊にプライベート取材として押しかけたのが、3月9日。静岡ホビーショー後に1ヶ月のブランクがありましたので、実質2ヵ月半かかった事になります。ただし、その2ヵ月半は“持てる物の全てを出し切った”期間だった様に思います。製作日記を書くだけでも半年以上もかかってしまいました。

このあとはいよいよスタジオ撮影!さらに東京湾岸撮影、多摩川グラウンド撮影、朝霞にて軽装甲機動車感謝の夕べ(?)、水モノオフ会、ワンダーフェスティバル、タミヤフェア走行会・・・とイベント目白押しで続きます(^_^;)

(2005/01/25)


全体を見て・・・やっぱりなんだか違うよな〜。 ちなみにこのドアの取っ手の裏側には・・・。
こんなシンプル構造のスイッチがあります。 電池ボックスの傍には自動点滅赤色LEDが。
左前方ライト裏側。ヘッドライトとウインカーは別回線。 光漏れを防ぐためアルミシートでカバーしてあります。
このステッカーが無かったら・・・大変なスグレモノです! 翌日、自宅玄関前で。・・・で、出来ました。