05月12日(水)
<あと03日>

天板ハッチと防弾板の製作

全円分度器がまさにピッタリの役目を果たしました。


あっという間にこの日がやってきてしまいました。明日の夜には静岡にいるわけですので、この日が泣いても笑っても最後の日です。その最後の日に何をやるか・・・。意を決してイラク派遣車両の最大の特徴でもある天板ハッチと防弾板の製作に入りました。

この防弾板の形には本当に悩みました。サマワでの数少ない画像を何度もながめて、ようやく構造を理解します。実はこの防弾板はそうでもないのですが、天板のハッチの形状・厚さは撮影禁止でして、サマワから届いた画像にも天板のハッチそのものが写った画像は無く、車体のサイドや前後から撮った物ばかりです。しかし“量産型”の天板ハッチなら、ネット上に自衛隊の駐屯地祭の時の画像が何枚か公開されていましたので助かりました。

天板ハッチには大量のボルトが埋め込まれているのですが、規則性を発見したので全円分度器でその位置に印をつけます。この全円分度器も「なんだかかっこいいなあ」と思って以前に買ってあったツールだったのですが(笑)、今回初めて日の目を見ました。なんとか辻褄は合っているはずなのですが、ここで精度をしっかり出さないと画竜点睛を欠く事になってしまいます。これまた持っていたけれど全く使ったことが無かったスコヤを使って垂直を確認し(例によって道具から入りたい年頃なもので・・・)、作業を進めました。

今、こうしてみるとこの後の途中画像が全くありません。ただただひたすら作っていました。デジカメの撮影時刻データを見るとスコヤを立てている画像が22:04。右となりの画像の時刻は翌朝午前2:44でしたので4時間40分かかった事になります。途中、ひずみや隙間がいくつも発生したのですが、瞬間接着剤とプラの削り粉末で何度も乗り切りました。ちなみにこの防弾板の厚さは不明なのですが、画像から読み取れる雰囲気で1.2mmプラバンで作りました。かつてのイメージでは1.2mmプラバンというのはとんでもなく厚くて硬いものというイメージがあったのですが、実際に3mmプラボードでがっちり組まれた車体に乗せてみると、その薄さがわかります。当初、この1.2mmプラバンで車体を作ろうと思っていたことが恐ろしく思えます(とてもムリですね)。あらためてアドバイスを下さったDr.スクラッチさんに感謝です。

実はこの防弾板のサイドにはパイプフレームの手すりがついており、実車ではその両端がつぶされてボルト留めされています。このパイプを2/23スケールに縮尺して計算すると直径2.6mmとなります。深夜12時を過ぎてから2.5mm前後の直径のアルミパイプを売っているお店はさすがに無いだろうなあと、手持ちのジャンクボックスをあさると、なんと直径2.6mm(!)そのもののステンレスパイプが見つかりました。しかし、ステンレスだけにとんでもなく硬く、簡単に両端をつぶせません。そこで深夜に金床を取り出して金づちでガンガンたたくと、なんとかつぶれそうな気配。そこでご近所迷惑を考え、この作業は明日の朝にすることにし、とりあえず仮眠を取る事にしました。

いよいよ明日は静岡!

(2004/09/28)


必死に出した寸法から図面を起こします。 極細油性ペンでデータを1.2mmプラバンに写します。
全円分度器を使ってボルトの位置を正確にマーク。 辻褄は合っているはずです(^_^;)
スコヤを使って垂直を出します。
今回の一連の製作で初めてこのツールを使いました。
途中画像が無い!多数の六角ボルトも接着し
問題のステンレスパイプに来たので仮眠をとります。
サマワの実車。パイプの両端はつぶされてボルト留め。 前方から見ても複雑な形状の防弾板。