05月07日(金)
<あと08日>

ボディー細部パーツの自作(3)/ドアの製作(2)

このパーツを作ることを思いついたのが突破口でした


後から振り返ると、この日はゴールデンウイーク中の平日金曜日。休日出勤多数の当研究室助手は、ここぞとばかりにこの日に代休を取り、まさに朝から晩までただひたすら作っていました。

2日前から始まったボディー細部パーツの自作は、その場その場で「さて、次は○○だ。どんな材料を使おうかな?」といった風に進めておりました。途中から、ある意味感覚が麻痺してきており、無意識に手が動いていた記憶もあります。手すりも真鍮線の太さを変えながら適宜作り、リベットも都合5種類の大きさから選択して接着していき、一気に完成しました。

車体前部左右に付くサイドルーバーの貼り方にはコツがありました。ルーバーの枚数は全部で6枚。実はこの6枚は平行に並んでいるのではなく、前方側の間隔が微妙に短く、扇形を切り取ったような形になっているのです(つまり微妙な放射状)。当然、正確に測定した印に沿って接着していけばいいのですが、極細油性ペンでマーキングしている現状では微妙なズレ(おそらく0.1mm単位)があるとかなり気になってしまいます。そこで「最初に上端と下端のルーバーを接着し、間を均等に目分量で貼る」という考え方が出てきます。しかし6枚のルーバーだから間に入るのは4枚(偶数なのがポイント)で、これを均等に貼るのは大変です。

そこで次の方法で乗り切りました(ルーバーを上から順に1〜6と番号をつけます)
a) 2番と6番を正確に位置決めして接着します
b) 4番を正確に2番と6番の中間に接着
c) 3番を2番と4番の中間に、5番を4番と6番の中間に接着
d) 2番〜6番の間隔を見ながら慎重に1番を接着
e) ルーバーの縦棒にあたる部分の1番の上部分を微調整してカット

目分量といってバカにしてはいけません。寸法を正確に測る事は出来なくとも、「中間にあるかどうか」においてはとてつもなく正確(それこそ今回のケースでは0.1mm単位の精度)なものを出してくれます。このやり方は「常に中間に貼る」という作業の繰り返しのため3枚、5枚、9枚といった枚数の場合に有効です。そうでない枚数の場合は、今回のように逆転の発想で「5枚で作ってから1枚足す」とすれば上手くいきました。もちろんルーバーが単純に平行に並んでいる場合は、印に沿って接着するだけで十分でしょう。今回のように放射状に等間隔といったケースではこのやり方の方がよろしいかと思います。

実は、偉そうに書いていますが、最初は車体右側のルーバーで単純に6等分(0.1mm単位でマーキングできたかは自信がありません)に測定して上から順に貼っていったのですが、どうしても上手くいかず、悩んだ上に編み出した(それほど大袈裟なものではない)方法なのです。しかしこの方法を使った車体左側のルーバーは納得のいくできになりました。文字で長々と説明してどれだけの方に理解してもらえるか自信がありませんが、もし同様の事をする場面になったら、この意味が少しでもわかってもらえるかと思います。といったわけで、後で出てくる車体右側の途中画像を見てもサイドルーバーには寛大な心でお願いします。

ところで、この日、長らく悩んでいたドアの表現についにメドが立ちました。ギザギザリムの表現はなんとかプラペーパーで乗り切りましたが、肝心のリム本体の四隅の表現の発想を実行に移す事に成功したからです。リム本体の直線部分はエバーグリーン社の1mm×2mm棒がピッタリなのが判明したのですが、肝心の四隅(実際には五角形なので五隅)の曲線はローソクの炎であぶって曲げるとしたら精度がなあ〜と悩んでいました。そしてついに、「そうだ!サークルカッターで小さな同心円を作り、切断すればいいんだ!」と気付いたのです。例によって後から見れば「なんでそんな事で大騒ぎしてるの?」と思われるでしょうが、当時のワタシにとってはまさに画期的な発想でした。「でも四隅でなく5箇所あるし・・・」との思いは4等分したうちの一つのパーツを30°と60°に切断すればなんでもない(何箇所に分かれていようと、1周合計360°になるのは考えてみればあたりまえ)ことがわかり一安心です。

リムの幅は2mmですので、2mm幅のドーナツ状の物を切り出さなければなりません。サークルカッターの最小半径は5mmですので、5mmと7mm半径の円を切り出したところ、これまた四隅(五隅)にピッタリ合います。「神様っているんだなあ〜」と感動していたものでした。

仮組みが終わったので、早速製作に取りかかります。まずは0.14mmプラペーパーで切り出したものを慎重に位置決めして貼ります。そして上記のドーナツ切断パーツを五隅に貼ってから、間をエバーグリーンの棒を現物合わせで貼っていきます。出来上がってみると想像以上にきっちりとしたものになりました。しかしこのままではまだまだエッジが立ちすぎていて不自然です。この削り込みに関しても、またまた新たな新兵器(?ただし100円ショップで購入)を使う事になりました。それは翌日のことです。

(2004/09/10)


足かけ3日で一気に組み上げました。 基本的に省略した箇所は一つもありません。
サイドルーバーは等間隔に並べるのにコツが入ります。
この画像では左側の方が間隔が短い「前方先細り型」
中央の白い取っ手はスプリング付きのストッパー。
六角ボルトは場所によって大きさが違います。
前日に作っていたパーツはボンネットのヒンジ ここにも“4mm丸棒”が活躍します
プラバンが台形なのはフロントガラスの失敗パーツを
流用したから・・・ビンボー症なもので(^_^;)
サークルカッターの最小半径ギリギリでしたが
構想が立てば作業は難しくはありません。
4日前に切り出したプラペーパーをここで接着。 厚さは0.14mmしかないので、こんな感じ。
四隅(五隅)にサークルカッターで切り出したパーツを接着。 エバーグリーンの1mm×2mm棒を間に接着。