04月30日(金)
<あと15日>

ドアヒンジの自作&ボディーアウトライン完成

ようやくここまで着ました


水モノオフ会など色々あり、またまた長らくお待たせしました。ほぼ1ヶ月ぶりに製作日記を再開します。

ホイルの自作がなかなか上手くいったので気を良くしてドアヒンジの自作に入ります。「フルスクラッチに必要なものは何か?」と問われたら、答えは当然複数あるでしょう。材料、技量、根気、創造性・・・。しかし何といってもこれが無いと始まらないのが「資料」です。朝霞の陸上自衛隊広報センターに屋外展示してある試作車は、穴の開くほど見つめて採寸し、画像を押さえてきましたが、ドアヒンジも量産型とは全くの別物であることが判明しました。量産型の画像はネット上にそれなりにあるのですが、ヒンジを特化した画像はさすがに見つかりません。チラッと写っていても、とても自作するためのベースになるほど解像度の高いものがありません。左・右・後方とドアが5枚あるのでヒンジは10個も作らなくてはならず、こういったパーツがいかに正確&シャープに出来ているかがフルスクラッチにおける見栄えの大きなポイントになります。

そこで当時はイラクのサマワにいたカイシャの同僚に「軽装甲機動車の画像を可能な限り撮って送ってもらいたい。特にドアヒンジのUP画像が欲しい・・・」とメールを出したところ、貴重な画像が届きました。高画質で撮影したのでイラクの回線事情を考えるとメールで添付できず、帰国を待ってCD-Rに焼いてもらいました。開けてビックリ、1枚1M以上の高画質画像で、画面いっぱいにヒンジが写っている画像が角度を変えて3枚も入っていました。考えてみればこのドアヒンジはイラク派遣増加装甲タイプも、国内に沢山ある量産型も同じ物なので、どこかの駐屯地に行けば見られるのかもしれませんが、そのものズバリの画像を入手できた恵まれた環境に感謝です。

早速気合を入れて自作に入ります。ここで苦労をしておけば10個も複製予定なので助かるはずです。結局キャスト抜きは初心者なので片面抜きを考えているので、無理に全てを作らず側面ピンや蝶番の一部は後で付ける事にしました(後日、画像をリンクさせます)。画像を元に図面を引き、プラバンベースでコツコツ作っていきます。六角ボルトを接着すると、なかなか雰囲気のある物が出来上がりました。

次に前面パネルの製作に入ります。この前面パネルも朝霞の試作車と量産車は、似て非なるものなので厄介です。これまたサマワから送られてきた画像を元に図面を引きなおし、1.2mmのプラバンで製作しました(後に静岡ホビーショー当日に量産型実車がやってくるというとんでもないことが起き、どんな角度からでも好きなだけ写真を撮れる様になるのですが、サマワから送られた画像には正面の正対したものはありませんでした)。これまで1.2mmのプラバンというと、かなり「厚い」という認識があったのですが、3mmのプラボードでずっと製作してきているので、とても薄く感じられたのが不思議です。例によってピンバイスで小さな穴を沢山開けて、デザインナイフで形を整えます。ライト用の穴は3mm、5mm、7mmの穴を開けなくてはならなかったのですが、そんな大きな径のドリルは持っていないのでリーマーで穴を広げました。このリーマーも今回購入したツールです。1つ\2,000弱もする高価な物でしたが、流石に専用工具らしく効果は絶大でした。

この前面パネルを取り付けて、いよいよボディーアウトラインの完成です。ここで皿ネジの頭を埋めます。基本的にネジの頭はすべてパネル表面より埋め込んであり、さらに全面に薄くプラバンを貼る予定ですが、念のためビスのプラスドライバー用の溝もすべて瞬間接着剤とプラ剤の削りクズで埋めます。さらにパネルの繋ぎ目に微妙に出来た隙間もこの段階で同様に埋め込んでから全体にヤスリを掛けると、まとまった感のあるボディーになりました(4日前の全体画像と比較してください)。

(2004/08/01)


サマワにおける車両のドアヒンジUP画像。
朝霞の試作車とは全くの別物。
ラフ図を元に自作。これを10個複製する。
蝶番の一部と側面の突起は複製後に個別装着予定。
後日、静岡ホビーショー会場にやってきた量産型実車
こんな簡単に写真が撮れれば苦労は無かった・・・(涙)。
朝霞にある試作型実車。パネル形状、ライトガード、
ライトの大きさと形、ウインカーの大きさと形、・・・全くの別物
前面パネル左側は、まずピンバイスで穴あけ。 こちらは右側。リーマーでライト用の穴を広げます。
前面パネルを装着し、全体を磨き込みます。 ビス頭の斑点が多いので「ポインター」みたいですね。
ビスの頭は全て瞬間接着剤で埋めて磨き込みます このスケールの人の目の高さで撮影。