03月09日(火)
<あと67日>

取材撮影・採寸

測れるものはとことん測ってきました(^_^;)


何事も「動機付け」と「勢い」は大切です。

今回作ろうと思っているモノは現用車両でして、その試作タイプが埼玉県朝霞市の某所に屋外展示してあります。模型を作る場合の資料としては「写真」「図面」、最近では「動画」というのもありますが、なんといっても実車を見ることが出来るのは何事にも代え難い貴重な機会です。

この日に代休を取った当研究室助手は、あらかじめお願いしてあった某K氏と一緒に現地に向かい、休む間もなく10:00〜17:00とフルに動き回りました。撮った画像は300枚近く(K氏はもっと多いそうです)、採寸には3時間以上もかかってしまいました。採寸しながら構想だけは色々と湧きあがり、頭の中ではどんどん完成に向かうのですが果たしてどうなるのでしょうか?

今回作ろうと思っているのは「試作車タイプ」ではなく、「量産型の特別任務タイプ」です。これからさらに資料を集め、より正確なものを目指すつもりです。どうか暖かい目で見守りください(^_^;)

(2004/03/18)


測量の技術も何も無いので、ただただ測ります。 多角形のパーツは三角形に分解して採寸します。



ご覧のように建物の正面に屋外展示してあります。


既にフルスクラッチが完成した状態(2004/06/25)で補足いたします。

上記の製作日記がUPされた時点では、この無謀計画が途中で頓挫する可能性を多分に秘めており、「その場合はハズカシイので、ナニを作ろうとしていたのかもワカラナイようにしてウヤムヤにしよう」との浅はかな思いもあって、取材対象車両が何かも明記しないページになっていました。

取材に行ったのは埼玉県朝霞市にある陸上自衛隊広報センター。同行してくださったのは地元にお住まいのプロモデラー金子辰也さんです。“取材”といっても別に正式に書類を出していたわけでも何でもないのですが、とりあえず2日前に事前に電話で問い合わせをしてありました。応対してくださったのは女性係官です。

助:「あの〜、確か軽装甲機動車が屋外展示してあると思うのですが、写真を撮ってもいいのでしょうか?」
陸:「はい。全くかまいませんよ」
助:「あの〜、それでしたら、寸法を測ってもよろしいでしょうか?」
陸:「え?・・・(しばし沈黙)・・・少々お待ちください」
助:「(汗)」
陸:「お待たせしました。ええ、周りの方に迷惑にならないようでしたら結構です」

当日は朝10:00の開場時間丁度に到着しましたが、驚いた事に建物の正面に屋外展示してあるんですね。これなら柵の外からならいつでも見られます。一応写真は自由に撮って良いとのことでしたが、2人組でやってきて三脚を立てたり巻尺を出したりしながら長時間いる事になりそうなので、受付にご挨拶に行きました。「ええ、聞いていますよ、どうぞご自由に」との思いがけない返答に少々驚きましたが(電話では名前も名乗っていませんでした)、平日の日中という事もあって見学者も少なく、ゆっくりと取材が出来ました。

あくまでも朝霞に展示してあるのは「試作車両」とはわかっていましたが、この時点ではどの部分が量産型と違うのか全く知識がありません。ひたすら写真を撮り、ひたすらラフ図を描いて寸法を測りました。制限時間は7時間あったのですが、途中の昼食時間を除けば9割以上の時間を軽装甲機動車の前で過ごしました。センター内には90式戦車、センターの裏庭には74式戦車や96式装輪装甲車も展示してあったのですが、90式戦車と74式戦車は1枚も写真を撮らず、96式装輪装甲車のみ10枚ほどのみ写真を撮るという徹底ぶりでした。ちなみに当研究室助手は、この時生まれて初めて自衛隊の戦車を見たのでした。もちろん感動し、驚いたのですが、プライオリティーは軽装甲機動車でした。

帰宅してから資料をさらに集め、いざ図面を引く段階になって、初めて「試作車両と量産型とのあまりにも大きな差」に愕然としました。ボンネットが違う、ヘッドライト周りが違う、ドアが違う、ヒンジが違う、ホイルが違う、天井ハッチが違う、後部パイプフレームが違う・・・はっきり言って同じところが見つからないくらいです。しかも量産型の写真は、それなりに見つかるのですが、イラク派遣増加装甲タイプの細部がわかる画像はこの時点で1枚もありませんでした。せめて量産型の実車を見られれば・・・習志野駐屯地あたりへ出かけようかと真剣に考えたほどです。しかし現実には量産型が展示されるのは基地祭など特別なケースのみで、平時に写真を撮るなど全く無理な話なのであきらめました。

この後、沢山の方々のご協力で資料が集まりだすのですが、その話は別の機会に・・・

(2004/06/30)


このアングルはやっぱりいいですね。 協力してくださった金子さんも熱心に取材。
ボンネットの形状はヒンジが逆など多数相違点が。 なんと試作車両は天板ハッチが角型!(量産型は丸型)
ヘッドライト、ウインカー、ライトガード等すべて別物です。 ヒンジが全くの別物。いかにも“試作”といった作りです。
ステップがついていたり、ドアノブも別の形状だったり。 パイプフレームも全く違う形状です。
裏庭に展示してあった96式装輪装甲車。 壮観です。すべて無料で見られます。