2012年12月22日


防波壁のかさ上げ

中部電力公式発表資料より。かさ上げは斜めのつっかい棒形式です。
2mmのかさ上げとはこうなります。斜めの支え棒はこんな感じで再現
敷地の内側から見るとこんな感じです
かさ上げ前はこうだったのが・・・
こうなる予定です・・・って見えますか?1/2000の模型上での話です
かさ上げされるのはこの高さです


実は浜岡原発に関しては中部電力から2012年12月20日に「防波壁の高さを4mかさ上げする」と発表がありました。南海トラフの予想津波高さがより高いものに想定されたからです。

実はこの1ヶ月ほど前に静岡朝日テレビさんから「昨年の震災特番にあたる第二弾の特番をやることになったのですが、静岡ホビースクエアに展示してある浜岡原発の模型をスタジをで再び使っていいですか?」と聞かれて快諾していたのです。すぐに担当者に電話しました「スタジオ収録はいつでしたっけ?」「今週末ですが、何か?」「いえ、中部電力からかさ上げが発表されたので模型を作り直さないと!」「え!?」

報道番組で使う模型は「わかりやすさ」を求められるのは当然ですが、可能な限り「正確さ」が求められます。特に新たな津波対策としてかさ上げ計画が発表されたのなら、正確に再現しないと、どちらか一方に偏っていると取られかねません。「明日、静岡にうかがいます!!」「え!?」

この模型の縮尺は1/2000に正確に再現しました。縦横方向だけでなく高さもデフォルメはありません。4mのかさ上げとなると1/2000の模型ではぴったり2mmのかさ上げになります。厚さが2mの防波壁のかさ上げだから、模型では1mm厚のプラバンで2mmの高さを足すだけだから30分もあればすぐ出来ると思ったら大間違い。かさ上げは厚さ2mではなくもっと薄いものにナナメに衝立を並べる形式だというのです。この状態を正確に1/2000の模型で再現するのは無理なので、高さの2mmを正確に再現し、ベースとは違う形式のかさ上げということをわからせる再現にしました。

3時間ほどで追加作業は完了。無事に翌日のスタジオ収録にも間に合いました(番組を見てかさ上げに気付いた人は何人いらっしゃるのだろう)。発表から2日後の突貫工事(?)の完成でしたが、当研究室のUPには1年以上かかってしまったことをお詫びいたします。

(2014/01/06)